伝統的別荘地である軽井沢に建つ別荘建築です。
断熱性を考慮し、外壁面積と内部面積の比率が有効な「正方形平面」としました。正方形の外形の中にもう一つ正方形が入れ子状になっており、ふたつの正方形のあいだを寝室や浴室、ゲストルームなどのプライベートスペースとしています。二重壁に包まれた中心部は、トップライトにより森の中にぽっかりと空いた草地のような、リビングスペースとしています。
外壁仕上げは杉板(+防腐塗装)、リビングスペースの壁仕上げは珪藻土の箒引きとし、淡い陰影が現れる仕上げとしました。
リビングスペースからは、壁の縁に切り取られた軽井沢の美しい木立が堪狽ナきます。珪藻土の内壁、杉板仕上げの外壁、森の木立、これらが幾重にも重なって楽しめることから「多重の景色」と名付けました。